赤坂・虎ノ門緑道エリア データ連携・活用促進プロジェクトAKASAKA TORANOMON
採択プロジェクト
基本データ
- 連携準備型
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- 対象エリア
- 赤坂・虎ノ門緑道エリア
- ジャンル
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- #自然環境
- #生物多様性
- #賑わい創出
- #市民参加
- プライム
事業者名 -
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日鉄興和不動産株式会社
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エリアの課題解決に関する考え方
エリアの課題
赤坂・虎ノ門緑道エリアは、歴史的価値と自然環境の潜在力を有する一方、持続可能なスマートシティ実現に向けて以下の課題を抱えている。
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- 土地利用と賑わいの不足
居住環境とビジネス拠点の両立が求められる中、居住環境に配慮しつつ賑わいを創出する取り組みが十分でなく、交流機会も不足している。
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- 緑地とエコロジカル・ネットワークの課題
生物多様性に配慮した緑化やネットワーク形成が必要であるにもかかわらず、地域固有の生物資源の把握や保全・再生の取り組みが不十分である。
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- 都市マネジメントとDXの融合
「スマート東京」「まちづくりDX」に沿ってデジタル技術を活用し、新たな価値を創出する都市運営への転換が求められている。
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- 緑地の経済価値・都市デザイン評価の不足
都心の緑地は価値がある一方で機会費用が課題であり、グリーンプレミアムの定量評価手法が確立していない。生態系データや人流データを用いた分析手法、歩行者の視覚体験に基づく都市デザイン評価も発展途上にある。
課題解決の方向性
デジタル技術で環境価値を定量化し、緑地・生物多様性を「コスト」から「投資」へ転換する国内外先駆のスマートシティ・モデルを追求した。また、ネイチャーポジティブを都市競争力の源泉であるWell-beingや不動産価値につなげ、持続可能な都市マネジメントの確立を目指した。
プロジェクト概要
実装サービス
本事業では、ユーザー視点の施策とデータ利活用技術の高度化を同時に進め、グリーンインフラの価値証明と市民参加拡大の両立を図った。
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- 気象連動型ARナビ(2024年度)
気象データとARを組み合わせ、状況に応じたルートや店舗を提示するサービスを導入したが、起動の煩雑さや継続性の課題から利用が伸びず、翌年度のUI/UX改善へ方向転換する契機となった。
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- 赤坂涼風ふうりんラリー(2025年度)
ARに代えて日常利用しやすい「Horai」を採用し、風鈴タッチポイントを巡るスタンプラリーを実施。エリマネイベントと連携したインセンティブ設計により、エリア回遊を促進した。
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- 市民参加型生物多様性調査(2024・2025年度)
アプリ「BIOME」を用いた市民参加型調査を実施し、都市の生態系を可視化。ガーデンツアーとの連携により参加者層を拡大した。
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- データ連携基盤「シン・デジタルツイン」
エリアの都市空間と人流・環境データを統合したデジタルツインを構築し、データに基づく都市マネジメントを可能にする分析基盤を整備した。
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- 都市空間の定量評価システム
LiDAR歩行者データと3Dモデルを用い、移動中の緑視率をピクセル単位で算出する技術を開発。不動産価値(グリーンプレミアム)の定量的裏付けを目指す。併せて、解析標準化のための「MCP」も整備し、専門知識なしで高度分析が可能となる環境を構築した。
シン・デジタルツイン
サービスの実装を通じて目指す状態
赤坂・虎ノ門エリアでデジタル技術と生物多様性を統合し、都市機能の高度化とワーカーのQOL向上を両立する新たな都市モデルの実現を目指した。主要な方向性は以下の3点である。
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- 人と多様な生物が共創する都市
生物多様性を都市の一員と捉える「マルチスピーシーズ」の視点を導入し、市民参加型で生物データを収集。理解深化と保全行動につながる持続的な仕組みを目指した。
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- 都市OSによる自然価値の可視化
PLATEAUを基盤としたデジタルツインで自然価値を可視化。LiDARと3Dモデルを統合した視界評価や緑視率の可視化を開発し、将来的な経済価値(ネイチャーポジティブのビジネスロジック)確立を見据えた。
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- データに基づく新しいエリアマネジメント
取得データを活用し、賑わい・快適性に応じて施策を柔軟に更新するアダプティブ・マネジメントを試行。ワーカーの幸福度向上と新たなエリア運営モデルの探索を行った。
プロジェクトの成果
本プロジェクトは、赤坂・虎ノ門エリアでデジタル技術とグリーンインフラを統合し、人々の行動変容を促すとともに、事業者に新たな経済評価軸を提供した。
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- ヒトへの価値
生物多様性の可視化とデジタル施策を組み合わせ、環境意識や心理的充足、回遊行動を促進。「いきものクエスト」で200種以上を確認し、都市を新たな視点で捉える体験を創出。「赤坂涼風ふうりんラリー」では高い継続参加が見られ、デジタル施策とイベント連携によって多様な層の回遊と賑わいを生み出した。
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- 事業者への価値
緑の価値をデータで定量化し、グリーンインフラが資産価値に与える効果を可視化。MCPにより専門知識なしで3D人流分析が可能となり、デジタルツインは合意形成や広域連携、新サービス創出を促す基盤として機能した。